争族事例
相続の案件が弁護士のところに来るときには、揉めごとになっているケースも少なくありません。そしてそのほとんどが遺言書があれば早々に解決できた内容です。
◆被相続人の兄が、相続対象の土地に住まっている場合
被相続人の配偶者と子どもが、被相続人の兄(叔父)に対して土地の利用をやめることを主張。相続税の問題もあり、土地を売却したいというのが理由。
被相続人の兄は、土地を買い取ることもできないが、できればその土地に住み続けたい。生前被相続人に許可されていたと主張。長年そこで暮らしてきたので新しい住居を持つ準備がないのが理由。
◆兄弟が寄与分を巡って争う場合
被相続人である父親は商店を経営しており、兄はその家業をずっと手伝っている。家計はすべて経営者であった父が握っていて自分は小遣い程度の金額を受け取っていただけである。
寄与分として、法定相続分以上を主張。
弟としては、兄は家業を手伝うことで、兄の家族が実家に居住していること、家業を継いで商店の経営者になったことなどがあるので、その寄与分は認められないと主張。商店の承継を認める変わりに現金や居住以外の不動産については、商店の価値を含んだ上で均等に分けたいと主張。